2015年6月18日木曜日

ダブルバインド(二重拘束)



子育ては親育てというように、親は最初から親の能力を持ち合わせていないし、完璧な大人であるわけでもありません。

むしろ未解決の問題を持った人が親になることが多いのが普通です。

なぜならカップルそれぞれの親、そのまた親と辿れば、親の因果が子にたたりと言われるように、誰もがなんらかの不具合を抱えていて不思議ではないのです。だからこそ子育てを通じて自分の育てなおしをする絶好の機会なのです。

つまり子育ては母親だけの責任ではなく、先に生まれた子どもまで含んだ家族全員の問題なのです。

親になっても幼児の頃の強度の依存性を持っていることは珍しくありません。もしそうだとしたらどんなことが問題になるか想像できますか?

支配と自分自身の不在です。
これは恋愛状態でも頻繁に起こる現象です。自分自身に生きる目的がなければ、他者に依存するしかなくなります。すると依存できなくなることは寂しさを超えて精神的な生死の問題になります。
すると生きるために依存する人を支配することになります。見捨てられることはこの上ない恐怖だからです。これは幼児の頃の強度の依存性そのままです。

生きるために依存する人を支配することが、子どもに向けられたらどうなるでしょう?
「私はどうなってもいいのよ。あなたが幸せなら」というメッセージが態度や行動を通じて頻繁に子どもに発信されます。

しかしこ私はどうなってもよくないから、依存しているわけだから、このメッセージは本当ではありません。

心にあることと態度や行動が違うので、ダブルバインド(二重拘束)なのです。
これを見破れる子どもはいません。子どもは自由を失い、どうしていいのかわからなくなります。実感ではおかしいと感じますが、それを言葉にできません。つまり考えることができないので、なすがままに支配されます。これがずっと続くと精神は崩壊しても不思議ではないのです。







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